悪意から生まれいづる……
この世界には、善意から生まれる悪意がある。悪意から生まれる善意がある。 (stage15,16のアバンタイトル)
悪意から生まれた善意、それこそがロロが手にした思い出。
ルルーシュの行動の動機は純粋な悪意ではなくどこか別の要素が混じっている。
それを奴はペテン師だ悪だと嗾けたのがシュナイゼル。黒の騎士団の連中は自分たちがギアスをかけられて操られているのかもという恐怖で、ゼロの行動が純粋な悪意によるものと断じて、彼の行動の結果も全て悪だと評価した。
でも、悪意から生まれた行動だとわかっていても、その行動そのものが自分に取っては善だったとロロは評価する。彼の「ロロの兄」としての振る舞いが、アシュフォード学園での日常生活そのものが、自分に取っては本物であったと。ルルーシュ本人がどこまでも欺瞞だと否定しても。
恐らく、ロロは不安であったに違いない。本当に弟として愛してくれているのか、それともただの道具なのか。例え道具であったとしても、ナナリーが居なくなりさえすれば自分が一番になれるかもしれないと殺害も考えた。ルルーシュがお前が大嫌いなんだと絶叫した時、ロロは絶望し、しかしその動機ではなく行動は、結果は自分にとっては善なのだと断じる。 その行動のため、自分は「人間」になることが出来たと。
人の行動は、そもそもの動機から評価すべきなのか。過程なのか、受け止めた人の思いか、最後の結果が全てか。
ロロのついた「兄さんは嘘つきだから」という嘘は、ルルーシュを許す嘘。 「そうか。すっかり見抜かれてるな。さすがは俺の弟だ」とルルーシュの返した嘘は、己の行動を謝罪し、今までのロロの努力を労う嘘。
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